記録遺産を守るために
全国歴史資料保存利用機関連絡協議会【全史料協】
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国文学研究資料館史料館の充実・強化について
13全史料協第31号
平成13年11月28日

文部科学大臣
遠山敦子殿
全国歴史資料保存利用機関連絡協議会   
会長太田雄二郎      


国文学研究資料館史料館の充実・強化について(要望)

 全国歴史資料保存利用機関連絡協議会(全史料協)は、公文書館、文書館等の全国の歴史資料の保存利用に関わる機関及びその職員等によって構成しています。そして、‘76年に結成以来、歴史資料を国民共通の財産として後世に伝え、保存することを目的に活動を続けてきました。特に、その中で「記録の保存」とその専門職員である「アーキビストの教育・養成」については、強い関心をもって運動を展開してきたところであります。
 一方、我が国の公文書館、文書館制度と歴史資料保存体制が、諸外国と比較するまでもなく、著しく立ち遅れている中で、国文学研究資料館史料館は、文部省史料館として設置されて以来、近世・近代史料を収集、整理、保存して利用に供しているとともに、その業務を通して文書館学・史料管理学の研究を積極的に推進し、その成果は広く公文書館・文書館界に影響を与えてきました。また、特にアーカイブズ学の先進的研究の裏付けを持ち、かつ、公私の史料にわたる総合的な視野を持った史料管理学研修会の開催を通して、我が国におけるアーキビストの専門的教育・養成についても積極的に取り組んで来られました。
 このように、我が国の公文書館・文書館制度と歴史資料保存利用体制を充実・発展させ、各種情報を国内外に広く発進していくためには、史料館が担ってきた史料の保存利用についての学問的研究と実践、並びにそれらを基盤としたアーキビストの教育・養成の機能は、今後ますます重要になってくることは疑う余地はありません。
 したがいまして、国におかれては、現在、行政改革の一環として、独立行政法人化、組織の統合、事業の見直し等を検討されていることと存じますが、史料館が果たしてきた役割の重要性を十分に斟酌されまして、史料の保存利用に関する学間的研究と実践、並びにそれらを基盤としたアーキビストの教育・養成についての機能が後退することなく、今後一層充実・強化されるよう特段の御配慮方要望します。


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