平成23年度第2回調査・研究委員会議事録
1 日時:平成23年9月9日(金)午後2時30分〜5時30分
2 場所:沖縄県公文書館 1階 会議室
3 出席者:8名(所属等)
久田裕(委員長・沖縄県公文書館館長)、宮城正侑(沖縄県公文書館公文書管理課長)
新井浩文(埼玉県立文書館)・早川和宏(大宮法科大学院大学)、
大谷周平(琉球大学附属図書館)・呉屋美奈子(恩納村教育委員会・図書館準備室)、
玉川紘子(大分県別府市年金保険課)・富永一也、伊志嶺佐代(沖縄県公文書館・事務局)
欠席者:なし
4 開会 久田裕委員長(挨拶)
5 報告(事務局から)
(1)第2回役員会(群馬県高崎市立中央図書館)報告
ア.調査・研究委員会から公文書館機能普及セミナーin沖縄開催及び臨時委員会開催を報告
イ.全史料協東日本大震災臨時委員会報告
・全史料協からは、会長名で岩手県陸前高田市への復旧方策の申し入れし、正式な合意に基づいて
の活動であることを報告
・東日本大震災臨時委員会運営要領(案)について
→承認報告
・第3条に京都府立総合資料館が付け加えられている
ウ.ICA/SPAへ小川千代子氏代理派遣について
→承認報告
エ.第37回全史料協全国大会(群馬)要項(案)について
→大枠で承認報告
・会員資格の変更について:学生会員の割引について役員会へ委任する旨報告
・広報・広聴委員会提案、会誌投稿規定改正案について
→学会誌の投稿規定を模倣して作成されたとのことであるが、著作権や著作権譲渡に関して再検
討の余地ありとの結論になった
・DJIセミナー「チェルノブイリからの伝言」共催依頼について
(意見等)
・久田委員長より、共催の持つ意味は責任が重く簡単に了承できる物ではない旨説明した。それに
対しては、
「それほど深く考えることではない」「記録資料に関することで関連性が高いので共催でいい」、
との意見もあったが、最終的には「後援」が妥当との結論になった。
オ.今後の全国大会開催地及び会長事務局について
・選定方法や基本ルールについて
→東日本・西日本ブロックが隔年で開催していたが、今回栃木の脱退に伴ってその慣例が崩れよ
うとしているため、東京など次期開催地の選定案について話し合われた
・大阪・東京隔年制(大都市開催)案
カ.調査・研究委員会からインターネット中継発信について
→可能であることを大会事務局へ提案、これに対しては参加者が減るという危惧もあるとの意見
もあった(結論)
・大会・研修委員会(企画委員会)に一任
キ.全国大会会場及び周辺等の確認・報告
→保健センター会議室は、新築のため、においがきつい。気分の悪くなる参加者も出よう。大会
までにひんぱんに換気を行うよう、高崎市立図書館への依頼を群馬県立文書館担当者に依頼。
(2)被災資料救済要請と全米アーキビスト協会の反応について
ア.群馬県文書館が作成した被災地調査レポートを沖縄県公文書館で英訳した。それを全米アーキ
ビスト協会へ送付。調査チーム招集、訪日提案及び資金援助の要請を全米アーキビスト協会全
国大会執行部委員会会議へ諮ってくれるように打診したことを報告→結果待ち
イ.全米アーキビスト協会から被災資料の救済・保存マニュアル提供あり
→PDFデータで受領(救済・保存目的であれば著作権を緩和。複製・配布の承諾済)
【配布方法について協議・結果】
→全史料協のHPに広告を載せ(調査・研究委員会名目で)、受取先を把握するためにメールで
申込みしてもらい、使用目的等追跡ができるようにする
(3)沖縄県南風原町立図書館の被害(水害)について報告
・台風9号の被害について、南風原町担当者へ天草で水害救済経験のある玉川委員がコンタクトを
試みた。
また、本日会議直前に委員会で現場を見学した。
・被害後、何度も連絡するも、なかなか連絡がつかなかった。ようやく司書と電話がつながり、
とりあえず必要な情報を提供し、支援の申出をしたが、先方からの強い要請はいままでのところ
なかった(玉川委員)
・同様に図書館協会からもアプローチしていたが、同様になかなか連絡つかない経緯あり。(呉屋
委員)
・先方の課長と電話で話したところ、保険(?)で新しい図書を入れられるのではないかという話
があった。
10月1日開館予定は変更しないとのこと。(事務局富永)
結論:天草アーカイブズ水害時のレスキュー資料等を提供し、引き続き経過をモニターする。
(4)平成23年度 調査・研究委員会会計予算執行状況について
→事務局から中間報告し承認
・セミナー報告書集発行について
提案:印刷製本費を組んでいないが、資料集を紙で印刷する代わりにホームページにデータをアッ
プすることで会員への普及をはかれると思うがいかが。特に、7月に開催した公文書館機能普及
セミナーは、沖縄県公文書館に動画をUPする予定であり、また沖縄県公文書館研究紀要にも掲
載するので、普及面では問題ないのではないか。(富永)
意見:報告の意味で会員に出版物を配布することも重要と考える。予算流用が可能ならば、公文書
館機能普及セミナーと2月に開催予定の専門職問題セミナーの報告を合冊して発行してはいか
が。(新井)
結論:引き続き検討する。
(5)その他
・ブルーシールドについて
新井委員からこれまでの経緯について説明あり。また、全史料協組織再編により、本件の窓口で
あった総務委員会の業務を引き継いでいる調査・研究委員会としては、今後の動きを注意深く見
守っておく必要性があるとのこと。
6 協議
(1)第37回全史料協全国大会(群馬)について
ア.調査・研究委員会の大会研究会・全体会U報告A「公文書館機能の自己点検・評標」
・発表者:新井浩文、早川和宏
・内容:@会場意見及び、事前にパブコメを募った結果を基に展開
A自己点検・評価指標【ゴールドモデル・ミニマムモデル】の再提言
Bモデルケースによる結果報告
自治体へ(埼玉県内と沖縄県の市町村)アンケート依頼
C今後の展望と課題
【協議・アンケート集計方法→結果】
・埼玉・沖縄統一のアンケートに記載要領を添付して送付し、FAXにて返答してもらう
・9月末締切でアンケート発送する
・結果集計において、自治体名は公表しない(市および町村のカテゴリ別とする)
(2)調査・研究委員会 第三回委員会の議題(案)について
ア.公文書館機能普及セミナーについて
次年度開催地候補選定について
九州地方で行うこととしたい。(事務局)→委員の賛同を得た。
・佐賀県を第一候補(知事が公文書館設置をマニフェストに挙げているとの情報あり)とし熊本県
(昨年、天草アーカイブズから要望あり)、大分県(玉川委員在)、宮崎県の順に打診していく
こととする。第三回委員会までには打診の結果を持って結論を出す。
・また、九州の次は東北地方を開催地とする方向で検討(再来年)。震災や津波からの復興の時
期と重ね、公文書保存の重要性と結びつけていく。ただし、未設置という観点からすれば山形
県も有力候補。
時期としては平成25年度になるので、次期委員会の仕事として引き継ぐこととなる。
提案:開催地については、今後公募方式(HP広報)も検討してはどうか(富永)
意見:県に共催を依頼しての開催が一番望ましいこともあり、候補地は委員会側である程度選定
して打診をしていくほうがスムーズ。(久田、新井)
イ. 専門職セミナーについて
・日程:平成24年2月予定
提案:募集対象については、これまでのセミナーのように普及啓発を旨とするよりも、専門職
問題についての全史料協としての立ち位置を確認していく一歩としたいので、対象を会員に絞
りたい。
(事務局)→委員の賛同を得た。
・アプローチ:専門職問題について、経験の長い図書館界から学ぶ場を設定したい。図書館の専
門職問題について活発な発言をしている方に基調講演をお願いする。(事務局)
→委員の賛同を得た。
・第一回委員会で専門職問題の担当に決まった呉屋委員と大谷委員を中心に企画、運営。
ウ.調査・研究委員と会員の対話集会について
専門職問題セミナーと併せることを検討。第三回委員会開催時に話を詰めることとする。
エ.後援依頼について
提案:ルーティン化している後援にかかる文書事務処理については、会長事務局側で処理したほ
うが合理的であり、そのようなルールを明確にしてはどうか。また、逆に、ルーティンで
ない場合にも、諾否の判断が伴うので、いずれにしても調査・研究委員会が処理すべき合
理的理由がない(事務局)
意見:広報・広聴委員会が処理するという考え方もある(新井)
結論:引き続き検討
オ.被災地調査について
提案:震災臨時委員会が激甚災害への対応を役割としているならば、調査・研究委員会の役割は
中長期的なリスク軽減にあるといえる。事業費の一部を調査費被災地状況調査に振り向け
ることも可能ではないか(富永)
意見:震災臨時委員会を設置した意味を考えると、やはり状況調査を当委員会の範囲に含めるの
はきびしいのではないか。(新井)
結論:事務局の提案は見送ることとする。
カ.被災地支援について
・群馬県立文書館における宮城県女川町の文書救済プロジェクトについて、見学してきた内容を
報告。
東京文書救援隊の同プロジェクトへのノウハウ支援について言及(富永)
・久田委員長より、役員会にて話したことへの言及
全史料協が知事会を通じてアクションを起こすと、支援にかかる経費は各県に特別交付税とい
う形で後にバックされる。そうなれば、全史料協としては実質上、財政支援を受けながら支援
することができる可能性がでてくる。したがって、早急に全史料協が窓口となるルートを確立
させ、支援団体の負担を軽くさせることが有用である。
7 閉会 宮城正侑課長