令和元年11月14日(木)・15日(金)
安曇野市豊科公民館
〒399-8205 長野県安曇野市豊科4289−1 TEL:0263-72-2158(代表)
視察先(研修会A)
【安曇野市文書館】安曇野市堀金烏川2753 TEL:0263-71-5123
【安曇野市豊科郷土博物館】 安曇野市豊科4289−8 TEL:0263-72-5672
【貞享義民記念館】 安曇野市三郷明盛3209 TEL:0263-77-7550
【松本市文書館】 松本市鎌田2丁目8−25 TEL:0263-28-5570
全史料協(全国歴史資料保存利用機関連絡協議会)
安曇野市・安曇野市教育委員会・長野県史料保存活用連絡協議会
「参加申込方法」(「大会案内」p.9)をご覧いただき、以下のオンライン申込みフォームを利用してお申込みください。
オンライン申込みができない場合は、「申込書」 にご記入のうえ、大会・研修委員会事務局までメール、FAX又は郵送にて、お申込みください。
〒010-0952 秋田市山王新町 秋田県公文書館内
全史料協 大会・研修委員会事務局
担当 煙山
TEL:018-866-8301 FAX:018-866-8303
EMAIL:Koubunshokan@pref.akita.lg.jp
令和元年10月11日(金) 必着
宿泊施設については、安曇野市観光協会より斡旋があります。
詳細は 安曇野市観光協会ホームページ の、第45回全史料協全国大会バナーよりご確認ください。
※安曇野市観光協会の宿泊斡旋は申し込みを締め切りました。
今回の研修会Aは3 つのコースを設定しました。
コース(1)の松本―安曇野コースは松本市文書館と安曇野市文書館を見学するコースです。安曇野駅から出発し、途中で松本駅からも乗車できます。(定員23名)
コース(2)の安曇野コースは、安曇野市内の多くの博物館施設の中から貞享義民記念館・安曇野市文書館・豊科郷土博物館を巡るコースです。(定員35名)
コース(3)の安曇野直行コースは安曇野市文書館のみを見学するコースです。同館は平成30年10 月に開館し、平成29 年度末で31,517 点の資料を公開しています。(定員55 名)
※本研修は、3班に分かれてバスで移動します。集合時間・集合場所が異なりますのでご注意ください。
加藤 丈夫氏(独立行政法人 国立公文書館館長)
昨年度、国立公文書館が中心となり検討を進めてきた「アーキビストの職務基準書」が確定し、また アーキビストの認証制度に関する検討も進んでいます。公文書や地域資料の保存と活用について自治体全体としてどのように体制を整えていけば良いのか。各地の市区町村において公文書館が徐々に設立されている中、市町村の自治体公文書館が全国で一番多い長野県において、その担うべき役割などについて道標となるお話をいただきます。
<休憩 10分間>
小松 芳郎氏(全史料協参与・松本市文書館)
学校現場から、長野県史編纂の場から、松本市史編さんの場から、文書館設立にむけての戦略と取り組み、松本市文書館での体験から、歴史文書の所蔵者としての言い分、住民の側からの苛立ち、そのときどきに、行政文書と民間資料を、どのようにとらえ、悪戦苦闘してきているのか。そして、そこから見えてきたり、まだまだ見えない課題はなんであるか、その課題をどのように行政に活かしてきたのか、
活かせなかったのか。生まれてから今日までの諸々のことを、自らの体験をふりかえりながら、アーカイブズを考えます。
地域社会にとって、アーカイブズ・文書館がいかに必要であり大切かということを、ともに共有できることを願いながら。
平野 泉氏(立教大学共生社会研究センター)
立教大学共生社会研究センター(以下、センター)は、戦後社会運動をテーマとする収集アーカイブズとして、2010年に設立されました。開館以来「ベトナムに平和を!市民連合」や反原発運動、障害者自立生活運動など、多様な社会運動の資料を整理・公開するとともに、教育プログラムとの連携にも取り組んできました。2020年は開館10 周年。これまでの経験を振り返り、今後の戦略を考える時期に来ています。そこで本報告では、収集アーカイブズとしてのセンターの成果と課題を議論の素材として提供いたします。とくに、所蔵資料の活用方法とコレクション形成(収集活動)について、参加者のみなさんのご意見を伺えればと思います。
<休憩 10分間>
調査研究委員会では,2 年間にわたり「基礎自治体における公文書管理の実態調査」を行い、公文書管理を考えるための基礎データ収集を行います。まずは,四国4県97市町村へのアンケート調査を実施し、選定した自治体への実地踏査を重ねることにより,基礎自治体における歴史的公文書管理の実態把握に務めます。本報告では、調査の経過をお聞きいただき、ご意見を賜りたいと存じます。
櫟原 直樹氏(藤沢市文書館)
アーカイブズを豊かなものとするためには、現用段階での文書の作成や保存管理のあり方がとても重要な意味を持ちます。一般的に、現用文書の管理はレコードマネージャー、非現用文書の管理はアーキビストの仕事とされますが、大多数の市町村公文書管理においては、そもそもそのどちらも存在しないというのが現状ではないでしょうか。市町村の諸活動を現在および将来の住民に説明する責務を全うしうる公文書管理について、多くの課題が存在します。この時間は、ライフサイクル全体を通した一元的 な文書管理、文書作成のルール、職員の意識改革及び資質向上等といった論点を、アーキビストが現用文書への関与を深める:アーキビストの前方進出という視点から考えます。
村石 正行氏(長野県立歴史館)
文化財にとって「平時」の災害は急速に進んでいます。自然災害時の史料消失とは別に、平時における古文書散逸の歯止めがかかりません。後者の理由のひとつに所蔵者および地域社会の「伝来史料への無関心」があります。それが顕在化する契機が、家屋・土蔵の取り壊しであり所蔵者の高齢化や世代交代です。昨年県内でもかつて地域住民で整理・目録化された史料が売られてしまった事例が発覚しまし た。頻発する史料散逸に対し史料購入費の充実のみでは対症療法としての効果はあっても、根本的な問 題は解決しません。むしろ長期的なスパンで地域文書の保全を永続させていくためには、文書館・博物館等でどのようなことができるのか提起したいと思います。
令和元(2019)年の全史料協大会は、長野県安曇野市を会場として開催します。長野県での開催は「市町村合併と史料保存」の議論が始まりつつあった、平成13(2001)年の第32 回大会以来ですが、市町村合併を経て、この間長野県内では長野市公文書館・小布施町文書館の開館や松本市文書館の新築移転 など、市町村における文書館の設置・拡充が進みました。そして、昨平成30(2018)年10月に開館した安曇野市文書館をはじめ、長野県内の市町村ではこの2年で5館が開館しています。全史料協では、このような長野県の「文書館」設置の流れを受けて、本年度は市町村「文書館」=基礎的自治体が行うアーカイブズ活動の役割を考えることを趣旨とする大会を考えました。
基礎的自治体においては、公文書管理法をきっかけとして新たに館を設置あるいは公文書管理条例を制定する例も増えてきました。しかし、それを単に公文書を適切に管理し移管・公開することにとどめず、民間所在の地域史料を含めた地域の記録全体の保存と活用を考える契機とし、地域住民のニーズに応えることが必要ではないかと思います。つまり、地域の「文書館」において、自治体それぞれの身の丈にあったアーカイブズ活動とは何か、ということが問われているのではないでしょうか。
安曇野市文書館の設立経緯も、公文書・地域資料双方の保存管理を行い、地域の記録全体の活用を考える視点から始まっています。その際に一番参考にしたのが、全史料協調査・研究委員会が平成21~24年にかけてまとめた「公文書館機能のミニマムモデル」でした。自分たちの自治体でできること、できないこと、目標に向かって取り組んでいることなどを踏まえて、安曇野市の現状に合った「文書館」が つくられました。
長野県内では、安曇野市と前後して、東御市・須坂市・長和町に文書館、今年9月には上田市に公文書館が開館し、さらにいくつかの自治体で「文書館」の計画が進んでいます。全国的に見ても、長野県内における「文書館」設置のムーブメントは特筆すべきものです。
しかしその背景には、市町村合併に伴う自治体制の変化や、地域の過疎化、史料保存活動の担い手の高齢化、度重なる自然災害や火災など災害の問題があり、今「文書館」という施設がなければ、地域の記録はとても守れないという重大な危機感を背景に活動しているという声にも耳を傾けたいと思います。これらは長野県に限らず、全国各地で直面している記録保存体制の危機的状況に、地域の「文書館」
はどのような役割を果たせるのかという問題提起でもあります。
本年の大会テーマ研究会では、はじめに報告①として、大会開催地安曇野市より安曇野市文書館の設立までの経緯と現在の活動について紹介していただきます。そして文書館設置において「公文書館機能 のミニマムモデル」を、どのように活用して文書館を作っていったのかを具体的に説明していただきま す。
報告②では、大会・研修委員会として、改めて「公文書館機能のミニマムモデル」を取り上げて解説します。大会前に長野県内の自治体に対して公文書館機能に関するアンケート調査を行いました。報告ではその分析結果をもとに、 「文書館」の有無を問わず基礎的自治体におけるアーカイブズ機能の指標について提言します。
報告③は、長野県小県地方で文書館設置運動に奔走され、上田市立公文書館などの設立に尽力された 上田・東御・小県地域史連絡協議会会長の小平千文氏による報告です。東信地域では、複数の地域研究団体が連携して地域史連絡協議会が結成され、各団体活動の活性化のためには「文書館」が必要であるとして、地域住民の陳情・請願を原動力に、行政や議会に働きかけて「文書館」設置を実現しました。全国的にも稀有な市民運動による公文書館設置という積極的な活動について、その熱い想いを語っていただきます。
討論では、長野県内の「文書館」設置自治体及び準備中の自治体の声なども織り交ぜながら、公文書館機能を生かして基礎的自治体がつくっていく「文書館」のかたちや、それぞれの市町村や地域に合わ せたアーカイブズ活動について考えていきたいと思います。本大会を、参加されている会員諸氏がこのような旬な長野県内の熱い動向を体感し、その意義を全国各地に持ち帰り活かす機会としたいと思いま す。
青木 弥保氏(大会・研修委員会委員・安曇野市文書館)
安曇野市文書館は平成30 年10月1日に開館しました。安曇野市は平成17 年10月1日に5町村が合併して誕生した自治体です。合併後の平成21 年度からは市域の地域資料(古文書資料)の調査をすすめ、平成24 年度からは合併以前旧町村の非現用文書の整理作業も行ってきました。平成28年度から文書館設置に向けて具体的な準備を行いましたが、積み上げてきた事業を「文書館」というかたちにするため、公文書館機能ミニマムモデルを活用しました。今回の発表では、第1回安曇野市文書館業務検討委員会に提出した自己点検票と、その後の開館準備、開館から1年経った現状を中心に説明します。
<昼食・休憩 11:30~13:00>
新井 浩文氏(大会・研修委員会委員)
報告②では、全史料協調査・研究委員会が平成21~24 年度にかけて検討・作成した「公文書館機能の ミニマムモデル」を改めて取り上げます。本報告では、まず「公文書館機能のミニマムモデル」についての概要と作成された背景を振り返ります。次に、今大会では開催県である長野県内の全自治体に「公文書館機能のミニマムモデル」について アンケート調査を事前に実施し、その回答結果をもとに、長野県内の基礎的自治体における文書館「熱」の背景を探りたいと思います。本報告を通して基礎的自治体にとってのアーカイブズの役割を再考し、全体討論につなげることができれば幸いです。
小平 千文氏(上田・東御・小県地域史連絡協議会)
「市民運動によって公文書館ができるのは珍しいこと」(瀬畑源氏)と評価された運動が一地域に集中的に文書館の開館をみることになりました。その要因は、1つは、縦割り社会のなかで横断的な組織
(上田・東御・小県地域史連絡協議会)を発足させ、文書館設立の目標を一市のみに限定しなかったこと、2つめは同会が史料保存の大切さを地域内の史料保存状況の把握や史料目録作りをしたり、研究発表や公開講演、シンポジュームの実施などにより住民や行政、議会に文書館存立の必要性を粘り強く働きかけたり行動を共にしたこと、3つめは長野県の「わらじ史学」による地域史研究、編纂の歴史に支えられていたこと、です。その報告です。
<休憩 20分間>
司会 長谷川 伸氏(大会・研修委員会委員)
蓮沼 素子氏(大会・研修委員会委員)
報告をふまえ、現代社会におけるアーカイブズの必要性・有効性、あるいは求められる取り組み、問われる課題について討論を行ないます。
会員機関の刊行物やパンフレット、協賛企業の取扱品・図書・出版物等を展示します。また、機関会員の事業等の紹介や、個人会員の研究をまとめたポスターも掲示します。
ポスターセッションは、コアタイムを12:00~13:00に設定しました。この時間帯にはポスターの展示者が、発表形式で説明を行うとともに、自由な意見交換ができます。
情報収集や交流の場として、多くの皆様に会場に足を運んでいただきたいと思います。
展示時間帯 11月14日(木)11:00~11月15日(金)14:30
※ポスターセッションのコアタイムは両日とも12:00~13:00