平成23年度第1回役員会会議報告
日 時:平成23年5月26日(木)13:30〜17:00
場 所:寒川町民センター(神奈川県)
出席者:16名(役員12名、随行者4名、事務局2名)
1 第19期(平成23・24年度)役員・委員の選任について
→ 承認
2 報 告
(1) 平成22年度第3回役員会会議報告
(意見等)
日経新聞記者に対する国立公文書館とアーカイブズ関係機関協議会との連名による表彰についての記載がな
い。記載しておくべきではないか。
→ 事実経過を確認し、別途報告する。
(2) 会員の現況及び平成22年度会費納入状況報告
(意見等)
機関会員の減少について、財政状況が厳しいためという理由は疑問がある。予算要求時に県として何を大切
にするかということをもう少し踏み込んで議論することが重要。
(3) 委員会等報告
→ 各委員会等から資料に基づき報告
(4) 地域担当理事報告
→ 近畿部会及び関東部会から資料に基づき報告
(5) その他
@法人文書問題の陳情について
岸本衆議院議員(民主)から、具体的な要望額を積算し、文部科学省に提出するよう助言があった。現
在、要望額をWG で積算しているところ。
A世界アーカイブ宣言について
世界アーカイブ宣言について、ICAのホームページの日本語サイトに全史料協訳として掲載するとと
もに、全史料協のホームページにも掲載したいと考えている。ついては、日本語訳に係る意見を今月中
に提出願いたい。
(意見等)
・全史料協として全会員に知らせることが重要。ただ日本語訳を掲載するだけでなく、概略、経過等を付け
ていただきたい。
・全史料協はICAに主体的に参画しており、その組織の中で採択されたもので、「倫理綱領」も含めて、
我々の意思の表明でもあるという解説を付してほしい。
(結 論)
・解説案を各役員へ提示し、確認後ホームページに掲載する。
3 協 議
(1) 平成22年度事業報告及び決算報告について
→ 承認
(2) 平成22年度の監査について
平井監事から適正に処理されている旨報告。
(監事所感)
・監査に当たり大量の証拠書類の写しを事前に送付いただいたが、会長事務局と監事の府県が近ければ、送
付・写しに係る費用も低減できる。
・全体として旅費の割合が高い。会議開催地に近い役員や委員を選任すれば経費削減を図ることができるが、
遠方の委員等の意見の除外ということが起こる。有効に経費を使える工夫をすることが必要。
(3) 平成23年度事業計画案及び予算案について
【事業計画案】
○大会・研修委員会(第37回全国(群馬)大会について)
・参加費を会員3,000円、非会員4,000円と設定しているが、震災による被災がある中、この設定でよいのか意
見をいただきたい。昨年度は開催地に対する特別交付金を予算化し、参加費を半額に設定しており、昨年度
と同程度の参加費が適当と感じている。
(意見等)
・大会のテーマについて、震災が発生している中、問題となっている大きな出来事を前面に出した方がよい。
公文書管理法が施行された中、大震災という事態にどのように対応するのかという視点が必要であり、記念
講演についても被災地公文書館の人に話してもらう等、大胆な設定がよいと感じる。
・調査・研究委員会の中で、公文書管理法施行元年であり、公文書管理法は外せないが、震災問題も扱う必要
があり、1日目と2日目をわかりやすく整理す必要があるという意見が出ている。具体的には研修会Bと分
科会Aの入替、研修会4本を2本とし、2本分を震災問題の緊急討議に充てるという提案や、全体会Tにつ
いて、防災対策というテーマは入れず全体会Uにつながりやすいテーマに見直す等である。
・全史料協としてこれまで求めてきたことは何かということについて原点に立ち返りテーマ設定した。震災は
確かに大きな出来事であるが、それに流されてはいけないということで、あえてこのテーマに設定にした。
特に公文書管理法上、地方自治体の条例作成は努力義務になっており、それではいけないということでこう
いったテーマとした。しかし、震災問題について触れない訳にはいかないので分科会等に入れ、このような
形にした。
・課題となっている被災問題を前面に取り上げる必要がある。
・参加する立場からすると、研修会AとBの選択を迫られるのは困る。臨時委員会活動報告は全体研修会とす
べきではないか。
・アーカイブに関わる人間が震災に対しどのように関わるかを議論する場があってよい。被災した記録のレス
キューの問題に加え、震災の経過をどのように記録していくのかもテーマとなってくるので、全体議論でき
る場を設けた方がよい。
・1日目は震災に絞り、研修会CとDは現用文書や古文書の修復の実技研修とし、2日目は公文書管理法34条
をどう具体化していくのかに集中して議論するというやり方もある。
・ただし、役員会で承認されないと大会が決まらないという仕組みではない。そういう運営もしてはならない。
最終的には大会・研修委員会で決定してもらうが、決定に当たっては今回の役員会の議論を踏まえていただ
きたい。
(結 論)
・今回の役員会の議論を踏まえ、次回の委員会で調整。事業計画としては承認。
○調査・研究委員会
(意見等)
・公文書館機能評価を定める目的は何か。国立大学法人の自己評価のように、その評価が低かった分野や基準
を満たさない機関を予算的に切り捨てる結果を導く基準づくりにならないか危惧をもつ。
→ 評価基準をクリアすることにより館のステップアップを目指すもの。全史料協の評価基準をクリアする
ことにより、次のステップに進めるため予算計上が必要であると説明できる。
→ 事業仕分けで、他者から評価されることに対抗するため、自分達で自信の持てる評価基準を作るという
のが出発点であり、その点理解をいただきたい。
【平成23年度予算案】
(意見等)
・なぜ、昨年は大会に対する特別交付金が認められたのか。
・昨年の京都大会で特別交付金が計上されたのは、多額の繰越金があったという事情があった。
・参加費を安くしたことで、どの程度参加者が増えたのか。
・平成15年の宮城大会で300人を割り込み、それ以降200人代が続き、21年福島大会では213人まで落ち込んでい
たが、昨年度は345人まで回復した。
・大会・研修委員会費の中で費用削減し、交付金へ回す努力はしたい。また、開催地である群馬県にもある程
度の負担はしてもらうことが必要。ただ、それでも赤字が出る場合は予備費で対応願いたい。
・会員は3,000円で、非会員のみ半額の2,000円にすることはできないか。
・昨年度50万円計上し、震災が発生した今年は特別交付金なしというのは疑問だ。昨年度同額は無理でも、若
干は予算措置する必要があるのでは。
・特別会計は置かないという方向でよいか。
・震災対策費として、特別会計を置くということはできないのか。
・後で議論する臨時委員会を設置するのであれば、特別会計でなく委員会費として支出する必要がある。
・健全な繰越金は何かということを確認したい。
・会の歴史的経過を踏まえた財政分析を行わなければ、説明は難しい。個別具体化計画の総括をしていくなか
での課題と認識している。
(結 論)
・大会に対する特別交付金は、予算措置も含め、大会・研修委員会と事務局で調整し、役員会に報告する。な
お、他の委員会等も経費削減の一層の努力を願いたい。他の予算は了承。
(4) 東日本大震災臨時委員会(仮称)の設置について
・臨時委員会を設置し、政策的な要望活動や、資料の保全・救済活動等を行っていきたい。予算案としては
1,000千円とさせていただいている。
・全国知事会長あての要望書について、既に要望内容は会長である京都府知事には説明しており、27日の午後
3時に全国知事会事務局に提出したい。また、全国市長会及び町村会についても同日要望書を提出したい。
・国への要望については、福山内閣官房副長官に、6月上旬に行う方向で調整中。
・なお、どの要望書についても相手側との折衝の過程で趣旨を損なわない範囲で会長責任で修正したことを了
解されたい。
(意見等)
・設置要綱等で、委員長や委員の指名を誰がするのかが書いてないのはまずいのではないか。会長が指名する
という形で入れていただきたい。
・臨時委員会は会則11条により設置されるものであり、委員長等の指名は会則11条第4項で規定されている。
・この委員会は会長の直属と理解してよいか。あるいは副会長の直属か。
・全史料協の中にある3委員会と同様に、全史料協としての委員会を設置するという位置づけである。
・設置すること自体に異議はないか。また、当面1年間とするということについて異議はないか。
・来年の2月の役員会で継続について議論するということでよいか。
・どういう活動をするかという枠組みが決まれば、今後の展開も見えてくるが、おそらく継続について議論す
ることになる。
・会則11条2項で、委員会の設置は役員会の議決によるとされている。 つまり、役員会はどういう活動をする
ため委員会を設置するのかの説明責任がある。全史料協としてどういう活動をするのか、できるのかについ
て議論が必要。
・各所で被災した公文書がでてくる。そうすると文化財レスキューから人員派遣の要請がでてくるが、全史料
協としてできることの枠組みは役員会で決めておく必要がある。
・救援活動参加専門家リストに挙がっている人は無償で行くことになるのか。
・文化財レスキューの基本は無償である。ボランティア保険も各自で加入することになっている。今後、全史
料協で出すということも考えられるが、今のところは無償である。
・この活動で重要なのは人手であり、どう人手を確保するかが課題。アルバイト職員のような人は、活動中給
料がなくなることになるが、それをどうするのかという問題がある。全史料協として自治体に働きかけるこ
とにより、公費がでないのか。
・要望書の中でその点は触れている。ただし、実現できるかどうかはわからない。
・臨時委員会が人手を集めるための機能を担うことは不可能。情報提供はできても、人を出してくれとは言え
ない。地元で研修会とかセミナーを開催するといった形なら可能。
・機関会員としても、職員が3人ぐらいしかいない中で、派遣はできない。人員削減の方が先だと言われる可
能性がある。
・人手は大量に必要であるが、必ずしも専門家である必要はない。注意深くやることに気を付ければ、最初専
門家が指導すればできること。指導できる人を各地域にどのように育てるのかが問題。国立公文書館やアー
カイブズ・カレッジなど、定例的に行っている研修会を今年は保存・修復等の専門家を育てる実地演習にす
る。そういうことに主力を置いていくのがよいのではないか。
・全史料協としては、資料救済の質を高めることと、今後の震災時における防災や減災につながる活動を行う
ことが必要である。
・民間の資料については救済の動きがあるが、現用の公文書については手つかず状態であり、また、一般の人
が入れるところでない部分について全史料協に対しオファーが来ているというのがある。全史料協として専
門的な人を登録しているが、その人をどういったタイミングで派遣するかということが重要。また、全史料
協として派遣依頼を出すことにより、ボランティア休暇を取りやすくなるということもある。
・歴史資料ネットワークでも、各地域における資料ネットの立ち上げを支援し、長期に渡り活動を継続すると
いうのが大きな役割。全史料協でも、地域の人と一緒に現地でどのような活動を行っていくかを考えていく
のが望ましいやり方であると考える。それが、公文書管理法の考え方の普及にもつながる。
・臨時委員会は、救済依頼を受けて直ちにサポートできる体制にはならない。現実の必要性と体制のギャップ
が大きく、結果として委員会に大変なことを押し付けてしまう危険性がある。被災地において3回程度の研
修会を実施する等、限定的に活動するというように決めてかからないと、何もかも委員会に投げ込んでしま
うことになり、大変なことになる。
・救済の話に集中したが、記録を残すということも念頭に置いて活動を維持していただきたい。
(結 論)
・臨時委員会の設置及び要綱・要望書等については承認。
・臨時委員会の活動内容について、全史料協として人手を派遣し、救済の中核を担うということはできない。
全史料協の強みは、被災した文書の処理技術を持っている人を何人か抱えていることであり、そういう人の
力量を最大限活かす方向で、現地の求めに応じ専門家を派遣し、現地で活動する救済の担い手を育成するお
手伝いをすること。
・ただし、現地に入った人たちの意気込みや情熱を活かすように運営することを念頭に置く。
(5) 会員資格の変更について
(意見等)
・条文を読むと既に個人会員となっている者は学生会員になれないように読める。機関会員と個人会員という
構成は変えないで、学生は会費を減額するとか、別に定めるとかにしておき、申し合わせ事項として会費を
決める方がよい。
・趣旨は、準会員をなくし個人会員に一本化するということ。経験者でなければ個人会員になれないというこ
とでは会員増は困難。ただ、学生は安くする。その趣旨に合う条文に見直すべき。
(結 論)
・条文案について事務局で再度作成し、8月の役員会で協議。
4 その他
・平成23年度第2回役員会を8月25(木)・26(金)日に高崎市立図書館(群馬県)で開催することを提案どお
り確認。
・陸前高田市の被災行政資料の救済に関する群馬県立文書館富岡館長からの提案も「東日本大震災臨時委員会
(仮称)の設置」に関する検討の際に紹介されたが、臨時委員会での検討に委ねられた。
− 以 上 −