平成23年度第2回役員会会議報告
日 時:平成23年8月25日(木) 13:30〜17:00
場 所:高崎市立中央図書館(群馬県)
出席者:16名
(役員)井口会長、中嶋副会長(代理:畑田正樹)、小松副会長、人見理事
(代理:池田幾夫)、久田理事、大久保理事(代理:高木秀彰)、小宮理事
(代理:佐藤勝巳)、爲國理事、佐々木理事、所澤理事
(随行)富田任(茨城県立歴史館)、富永一也(沖縄県公文書館)
(オブザーバー)岡田昭二、小高哲茂(群馬県立文書館)
(事務局)西川武司、田辺孝夫(京都府立総合資料館)
欠席者 3名 小川参与、亀岡理事、平井監事
1 報告事項
(1) 平成23年度第1回役員会会議報告
・ 日本経済新聞社記者に対する表彰の経過について補足説明
(2) 会員の現況及び平成22年度会費納入状況報告(8月1日時点)
・ 会員の現況…機関会員141 個人会員277 準会員15 計435
・ 会費納入状況…機関会員97.2% 個人会員67.7% 準会員60.0% 計74.3%
(3) 各事務局・委員会報告
・ 各事務局・委員会から資料により報告
(補足説明)
・ 7月4日に開催されたアーカイブズ関係機関協議会では、加盟各団体の活
動状況や震災被災文書問題への対応等が報告された。また、日本アーカイ
ブズ学会がアーキビストの資格認定制度の原案を提示した。出席した構成
団体から、原案に対する意見を広く聴取する種々の機会をつくってはどう
かとの意見が多数あった。なお、事務局は日本アーカイブズ学会に替わっ
た。
(臨時委員会報告)
・ これまで2回開催した委員会で、被災実態調査と陸前高田市におけるレス
キュー活動を実施することが決まった。被災実態調査はまだ着手していな
いが、2年後ぐらいに取りまとめる方向でWGを設置し検討している。
・ 陸前高田市におけるレスキュー活動は、7月22日付けで陸前高田市長あて
被災公文書等の復旧方策についての提案を行い、8月10日〜11日に事前調
整及び試行的作業を実施しており、8月29日から作業を開始する予定
・ レスキューの対象文書は、自衛隊により旧矢作小学校に搬入された公文書
約1万5千点を予定
・ 作業は当面約2週間を予定しており、事前に登録いただいている参加者リ
ストをもとに1日当たり2〜3名派遣できるよう調整を進めている。なお、
作業は、陸前高田市が確保する緊急雇用臨時職員及び市OB等と共同で実
施する。法政大学の金准教授のグループとも共同する。
・ 全史料協から派遣する職員の旅費については、東北地方太平洋沖地震被災
文化財等救援委員会から助成を受けられるよう調整を進めている。また、
臨時委員会でも現在経費支出基準を作成しているところである。
(4) 地域担当理事報告
・ 関東部会及び近畿部会から資料により報告
(5) ICA/SPAへの小川千代子氏代理派遣について
・ 副会長事務局から資料により報告
2 協議事項
(1) 東日本大震災臨時委員会運営要領(案)について
臨時委員会の事務局について、長野県立歴史館と京都府立総合資料館の両館で
対応することが臨時委員会において確認されたため、東日本大震災臨時委員会
運営要領第3条に事務局名を明記するもの。なお、両館の役割分担は、会計処
理を長野県立歴史館、それ以外の事業実施や他団体との連絡調整等を京都府立
総合資料館が担うこととしている。
(協議結果)
承認
(2) 東日本大震災臨時委員会平成23年度事業計画案及び予算案について
臨時委員会は4回程度開催予定。現地実習は「水損資料復旧プロジェクト報告
会」として、人間文化研究機構と共催で7月2日〜3日に釜石第一中学校にお
いて実施済み。被災公文書等救済事業については、これまで、陸前高田市の関
係者と調整してきたが、8月29日から本格的に実施する予定。公文書等被災実
態調査等については、今後WGにより内容を具体化していく。
予算については、前回役員会で100万円を承認いただいたが、その後、事業計画
が具体化してきたので、今回、支出科目別に詳細案を計上した。100万円のうち、
委員会等の運営費に214千円、被災公文書等救済事業費等の事業費に786千円を
計上している
(質疑・意見等)
・ 予算案で、被災実態調査費の印刷製本費85,000円は具体的に何に使うのか。
→ 被災実態調査については、今後WGで具体化していきたいと考えおり、現時
点で内容は決まっていない。
・ 内容によっては会報や会誌に投稿をお願いすることもあるので、具体化した
際には調整をお願いしたい。
・ 臨時委員会の旅費の支出の考え方について教えていただきたい。
→ 現在、臨時委員会で議論されているが、通常、全史料協では交通費の実費相
当額が支給されるところ、100万円という限られた予算であるため、交通費は
実費相当額の2分の1を支給する方向で調整している。また、宿泊費について
は、何泊しても5千円を上限とする方向である。
(協議結果)
承認
(3) 第37回全国(群馬)大会について
(質疑・意見等)
・ ボランティアで、研修会や全体会についてインターネットで中継することが
可能なので、検討されたい。7月に沖縄県公文書館で開催した公文書館機能
普及セミナーで実績がある。大会に参加できない会員のためにも有益。セッ
ティングは、調査・研究委員会で対応できる。
・ インターネット中継により大会参加者が減少するおそれはないか等、十分検
討する必要がある。
・ 記念講演の部分は、福田元総理の同意が得られれば中継してもよいのではな
いか。
(協議結果)
ネット中継については継続性等の問題もあるため、大会・研修委員会で検討。
その他は承認
(4) 平成23年度総会について
総会は、3時30分から3時55分までの25分間を大会開会式に、その後5分間の
準備休憩の後、4時から5時30分までの1時間30分を総会議事に充てる予定。
開会式の来賓として、国立公文書館並びに開催地から群馬県副知事及び高崎市
長が出席いただく予定。議長や総合司会者については、役員会で議論いただき
たい。座席の配置については、総会時、全役員が登壇いただく予定としている
が、本日役員会終了後に実施する現地視察で会場の広さ等を確認し、大会・研
修委員会とも調整して最終的に決めたい。
(質疑・意見等)
・ 総合司会者については、例年開催地の公文書館等の職員で対応いただいている。
今年も同様にお願いすることとしてはどうか。
→ 群馬県立公文書館の職員に対応いただくことで調整
・ 議長は、例年機関会員と個人会員から1名ずつ選出している。機関会員につ
いては、この2〜3年の動きをよく承知されている方がよいと思う。
(協議結果)
・ 議長については、機関会員及び個人会員から1名ずつ選出することを承認。な
お、人選については、会長及び副会長に一任された。その他は承認。
(5) 平成23年度予算案について
全国大会に対する特別交付金については、前回役員会で、昨年同額は無理とし
ても震災が発生した今年度については一定額を予算措置すべきとの意見があり、
大会・研修委員会と会長事務局で調整を行った。その結果、30万円を予算措置
することとし、予備費から充当することとした。
(補足説明)
大会参加者を250名として、参加費を半額にすることで約30万円強の収入減とな
る。会場費等の経費節減に努めているものの、記念講演やポスターセッションの
パネル費等不確定な要素もあるので、是非認めていただきたい。
(協議結果)
承認
(6) 会員資格の変更について
会員資格の変更の趣旨は、文書関係実務の経験者でなければ個人会員になれない
ということでは会員の増加を図ることが困難であるため、個人会員の資格要件を
撤廃するというものであり、その改正とともに、準会員制度の廃止及び学生に対
する会費減額制度の導入を盛り込む形で、会則を変更するもの。なお、会則の変
更については、第19条により総会同意案件となっているため、10月の総会で同意
を求めたい。
(質疑・意見等)
・ 学生から減額に係る申請書の提出を求めるのか。
→ 毎年確認が必要であり、申請書を提出いただくことにしたい。
(協議結果)
総会において、事務局案により同意を求めることを承認
(7) 会誌投稿規程の一部改正について
これまで「記録と史料」への掲載内容について執筆者から転載したい等の照会が
あった場合、その都度広報・広聴委員会で許可をしてきたが、著作権法上、執筆
者に著作権があるため意味のない行為であった。また、「記録と史料」の内容を
Webで公開してほしいという要望があるが、過去のものは執筆者の許諾が得る
ことが困難なのでできないとしても、今後のものについては一定検討する必要が
ある。そのため、全史料協が、著作権について一定コントロールする方向に規程
を見直したいと考えている。
(質疑・意見等)
・ 著作権を譲渡すると、執筆者は内容を変更されても対抗できなくなるので、非
常に嫌がるのではないか。また、原稿料を支払って著作権の譲渡を受けると、
全史料協の資産になると思うが、全史料協のような法人格のない団体が、金銭
的価値のある資産を保有することができるのか。仮に保有できるとしてもその
管理は相当な事務量を伴うため、むしろ著作権は執筆者に帰属するが、全史料
協として自由に使用できるとした方がよいのではないか。
・ 著作権を譲渡すると、自分が執筆したものの複製も自由にできなくなるので、
原稿を書いてもらえなくなる。全史料協としてコントロールしたい部分を明確
にし、その部分だけ同意を取る方向で考えればよいのではないか。
・ 過去の著作物のWeb公開については、著作権処理ができないから出さないと
するのではなく、著作権処理ができていない旨及び執筆者は申し出てほしい旨
を明記した上で、掲載すればよいのではないか。承諾が取れなかったものは、
その部分を消して出せばよい。
・ 原稿料は実際支払っているのか。
→ 実際は支払っておらず、掲載誌を送付している。
・ そうであれば、規程もその内容に見直した方がよい。
・ 著作人格権は譲渡できないことになっており、従って著者に無断で編集できな
い。
(協議結果)
今回の議論を踏まえ、広報・広聴委員会で再度検討の上、次回以降の役員会で継
続協議
(8) DJI松本セミナーの対応について
(質疑・意見等)
・ 共催の意味は、複数団体が企画の段階から共同で事業を行うものである。たと
えば、7月に沖縄県公文書館で開催した「公文書館機能普及セミナー」は、指
定管理者の沖縄県文化振興会と共催したが、講師選定、予算の負担、当日の運
営にいたるまで事細かに打ち合わせ、予算や人員の負担を決めて実施した。す
でに企画されたものを持ち込んで「共催したい」というのは意味が違う。共催
を承認することで、何かトラブルがあれば全史料協も責任を負うことになるが、
それほど「共催」の意味は重い。DJI松本セミナーの対応について、調査・
研究委員会で判断せよ、とのことであったが、調査・研究委員会事務局で通常
代行しているルーティン的な後援への承認公文の処理とは違うので、本部の判
断を求めた次第である。
・ 事業内容は、これまであまり議論されてこなかった事項であるが、福島原発事
故を踏まえると今後議論していかなければならない問題。全史料協としては、
これまで提起されなかった問題を議論していく契機になると考える。
・ 当初、南相馬市の資料保存に係る報告が予定されていたこともあり、関東部会
が共催することを検討していたが、その後の調整の中で共催しないこととなっ
たため、会長事務局の方に共催を依頼されたという経緯がある。
・ 事業内容は問題ないが、共催に位置付けるのであれば企画の段階から十分に協
議すべきであり、そのような手順が踏まれないまま共催とするのは疑問。
・ 共催であれば全史料協として今後会員に対しどのように周知するのか、全史料
協として人を出すのかといったところを検討する必要がある。そのような要請
が申請者から具体的にないのであれば、後援とすればよいのではないか。
(協議結果)
本事業に対し、全史料協は後援であれば承認することとする。
3 その他
(1) 第38回全国(広島)大会について
平成24年11月8日(木)〜9日(金)の2日間、広島市において開催する予定。会場に
ついては、広島県民文化センターが候補として上がっている。また、視察は広島市
文書館と広島県立文書館の2施設が候補となっている。
(2) 平成23年度第3回役員会について
次回役員会は、平成24年2月23日(木)〜24日(金)に京都府で開催予定
(3) 今後の全国大会開催地及び会長事務局について
全国大会の開催地について、平成25年度は東日本ブロックで開催することになっ
ているが、まだ決まっていない。また、次期会長事務局は東日本ブロックの担当
となっており、今後、調整していく必要がある。
(質疑・意見等)
・ 2期程度のローテーションを策定し、会長と副会長で依頼に当たる必要がある。
(協議結果)
・ 今後メール等で各事務局・委員会と情報・意見交換を行い、来年度以降の体制等
についての原案づくりに着手する。
− 以 上 −