平成24年度第1回役員会会議報告
日 時:平成24年5月31日(木)13:30〜17:40
場 所:ホテルレイクビュー水戸(茨城県水戸市)
出席者:15名(役員10名、随行者4名、事務局1名)
欠席者:3名(役員3名)
1 報告事項
(1) 第19期(平成24年度)役員・委員(平成24年3月31日現在)
・資料2ページの「調査・研究委員会」中、新井浩文氏は委員となっているが、副委
員長であるので訂正されたい。
(2) 平成23年度第3回役員会会議報告
・全史料協のHPに掲載済み。
(3) 会員の現況及び平成23年度会費納入状況報告
・個人会員は289で正しいのか。
→ 平成24年2月1日現在で283、その後、入会が2、退会が10あるとともに、
準会員14が個人会員に移行したため、289となる。
(4) 各事務局、委員会報告
ア 会長事務局
イ 副会長事務局
ウ 大会・研修委員会
エ 調査・研究委員会
オ 広報・広聴委員会
カ 東日本大震災臨時委員会
→ 前回役員会以降の動きについて、各事務局、委員会より資料に基づき報告。
(5) 地域担当理事報告
ア 関東部会
イ 近畿部会
→ 各部会より資料に基づき報告。
2 協議事項
(1) 平成23年度事業報告及び決算報告について
・事業報告については、各事務局、委員会より資料に基づき説明。決算報告について
は、会長事務局より資料に基づき一括説明。
(2) 平成23年度の監査について
・平井監事から適正に執行されている旨、報告。
(結 論)
・平成23年度事業報告及び決算報告について、承認。
(3) 平成24年度事業計画案及び予算案について
・事業計画案については、各事務局、委員会より資料に基づき説明。予算案について
は、会長事務局より資料に基づき一括説明。
・役員会の開催回数は、厳しい収支状況を踏まえ、従来の3回から2回に削減した
い。各役員との意見交換は、メール等を通じて行う。
・今年度の収入予算額は繰越金が昨年度に比べて約150万円減少しており、これま
での水準で支出していくのは大変厳しい状況である。各事務局、委員会で削減努力
をお願いし、執行見込額は、9,082,400円に押さえていただくこととしたい。この
結果、25年度への繰越額は、159万円程度となり、今年度に比べて180万円程度減少
する見込みである。
(結 論)
・承認
(4) 第38回全国(広島)大会について
・大会・研修委員会より、資料「第38回全国歴史資料保存利用機関連絡協議会全国
(広島)大会開催要項案 」に基づき説明。
(質疑・意見等)
・今年は東日本大震災被災地域における歴史資料・公文書等の被災実態調査について
の報告をできればと考えている。希望だが、研修会4コマの内1コマに、仙台市か
らの報告を入れていただきたい。
(結 論)
・被災実態調査の報告については、大会・研修委員会で検討する。その他の事項につ
いては承認。
(5) 平成25年度以降のICA/SPA役員派遣費用等について(案)
・副会長事務局より資料に基づき報告。
・副会長事務局費予算の中でSPA役員の国際大会派遣費用が大きな部分を占めており、
その全額を助成することは予算上困難である。またSPA運営委員の推薦について、
佐々木理事は今年で退任する意向であり、今のところ次の候補者もいない。今後4
年間は全史料協としてSPAの運営には関わらないことになる。ICA大会出席に代わる
情報収集については国立公文書館の「アーカイブズ」を活用していきたい。
この現状を確認の上、今後の方針を検討したい。
(質疑・意見等)
・「現在、アーカイブズの世界において、日本はアジアの中でも後進国である。設備
や人員からいっても圧倒的に韓国の方が規模が大きい。そのような状況もあり、む
しろアジアの情報は韓国や香港から伝わってくるだろう。人員がいないのなら、無
理にSPAの役員を出さなくても、必要な情報は国立公文書館から得るということで
よいのではないか」という意見もあるが、同感である。
・ただし、退会する必要はなく、世界のアーカイブズを支えていく一員としては参加
していてもよい。副会長県は、ICAやEASTICAの情報をとらえるなどのやり方で活動
していけばよいのではないか。
(結 論)
・SPA運営委員については当分の間派遣しないこととするが、世界のアーカイブズ運
動を支える意味でICAおよびEASTICAの会員資格は継続し、会費は拠出していく。
(H24予算:ICAおよびEASTICA会費 82千円)
(6) 平成25年度全国大会開催地について
(7) 第20期(平成25〜26年度)役員体制について
(井口会長より両議題について資料に基づき説明)
・全国大会開催地のローテーションは、退会・人員体制の変化・館の建て替えなど諸
般の事情により実行されていない。資料にある「選定の考え方」に基づき、優先順
位の高い候補地から順に調整している。
・岐阜県…館自体の縮小があり、人員体制が整わないとして辞退。
・東京都…館の立て替えがあり、既に文書によって辞退願いを受け取っている。
・北海道…全史料協の財政面からみて困難であると考え、あえて連絡していない。
・秋田県…創立20周年記念の館事業との兼ね合いがあり、困難であるとして辞退。
・長野県…予算が認められず来年度は退会せざるを得ないとして辞退。
・富山県…体制上困難であるとして辞退。
・宮城県…災害の影響で困難であるとして辞退。
こうした状況である。
・次期会長事務局についても、現在調整中で、以下のとおり。
・愛知県…専任職員が一名のみであり、対応できないとして辞退。
・富山県・長野県・宮城県・東京都・岐阜県…大会開催と同様の理由で辞退。
・埼玉県…関東部会の会長館を引き受けることが確定しているとして辞退。
・群馬県…一昨年会長事務局を引き受けたばかりであり、県に認められないとして
辞退。
以上のような状況であり、東ブロックでの調整は困難となった。それで前回の役員会の
議論に基づいて西ブロックに調整を移した。
・山口県…体制の縮小により、辞退。
・広島県…回答待ちの状態。「全史料協自身が会長の責任あるいは役員会の意思とし
て広島県に依頼するというならば検討する」との返答をいただき、現在回答待ちの
状態。
・もし会長事務局を広島県に引き受けていただければ、広島県のご意見も伺いながら副
会長県を検討していきたい。ブロックの考え方を念頭におけば、東ブロックから副会
長を引き受けていただけるところがあればよいと考えている。
(質疑・意見等)
・昨年あたりから、ブロックで分担をするという前提が崩れてきている。全史料協の組
織のあり方自体が問われている。個別具体化計画そのものが立ちゆかなくなっている
という現状の共通認識をもった上で、役員会全体での議論が必要である。
・関東部会の内情も同様。現在、市が部会長を引き受けているというのもイレギュラー
な状況である。昨年は長野県が部会長を務めており、ローテーションでは次は千葉県
だったが脱退してしまった。茨城県、埼玉県も辞退されて、最終的に市が引き受け
た。次は埼玉県が引き受けることになっているが、その次は決まっていない。有力館
の退会もあり、調整は困難が予想される。
(井口会長)
・各委員会の次期事務局についても、本日の役員会後にそれぞれの館で検討していただ
き、それぞれに打診してほしい。その状況を会長事務局に伝えていただきたい。
(質疑・意見等)
・錯綜してはいけないので、まずは大会開催県と会長県が決定してから、各委員会で、
それぞれ打診していくという段階を踏んだ方がよい。
・基本的にブロック制は堅持していくのか。
→ 次期会長県について、ブロックローテーションには拘らずに調整していくという
のは前回の役員会で決定したことである。東ブロックの優先順位に従って各府県
に打診したが、辞退が続いたので西ブロックに移行した。まずは優先順位に従う
のが基本である。
(結 論)
・広島県の返答を待ち、副会長県についても可能な限り会長事務局が調整する。決定次
第、全ての役員にお知らせする。それを受けて各委員会が次の事務局候補との調整を
進める。その結果についてはお知らせする。
(8) 組織・業務改善計画個別具体化計画について
・会長事務局より資料に基づき説明。
・役員会のもとにワーキンググループを設置し、平成25年度から様々な問題について
検討していくということも提案したい。
(井口会長より補足説明)
・全国大会についての支出が以前に比べて増えているが、繰越金が600万円を超す時期が
あり、総会でも繰越金の多さが問題になって、大会で繰越金を活用し始めたという経
緯もある。
(質疑・意見等)
・機関会員が役員(事務局)を担えない理由、退会する理由の中に「任意団体に対する
負担金の見直し」というものがある。もしこういったことが全国の地方自治体におい
て行われるとすれば、多くの団体は退会することになってしまう。全史料協を任意団
体でない団体にするのは可能なのか。例えば公益法人など。
→ ここでいう「任意団体」は、法律や制度で義務づけられていないもの全てを示し
ている。全史料協が法人格を持つことはできるかもしれないが、法人格を持った
から「任意団体」でなくなるということではない。全史料協を法律・制度上加盟
しなければならない団体にするのはまず不可能だろう。
・予算を削る方法は地方自治体によって異なっているので、全体の予算からある割合を
削減すれば、その中での割り振りは自由という場合もある。しかし、現在は内部で自
由に決定するのが困難な場合が増えてきている。公立図書館が図書館協会にかかる予
算を削られて脱退せざるを得なくなった例もある。
・当県は、公文書館と史料館の2館が加入しているが、館の専門性を維持するためにど
うしても全史料協が必要だということを説明し維持してきている。予算削減の圧力は
大きいが、どこの館でも当局からの「これを削ったらどうか」という働きかけに対
し、「どうしても必要だ」と主張することはできるはずだ。予算を削減されたのでや
めざるを得ないとして退会した館は、予算削減を理由にしているにすぎないという面
もあるのではないか。
・史料館には事務方が一人しかいない。このような館では役員や事務局を引き受けるこ
とは難しい。一機関会員でありながらその役をまっとうできない申し訳なさはある。
館の人員・規模に対してあまりに負担が大きい役が回ってくるということそれ自体
が、当協議会の大きな問題点であると言わざるを得ない。
・任意団体を県の財政が嫌う流れは確かにある。全史料協がそういった性格をそぎ落と
すとなると、純粋に館だけが参加する会、行政課題を解決するためになくてはならな
い会という位置づけにしていくことになるだろう。果たしてそれが全史料協のそもそ
もの目的に照らして正しい判断なのかどうかは疑問だが。
・今までアーカイブズの世界では、任意団体を柱にしていろいろな問題を解決しようと
しすぎてきたのではないか。任意団体で解決しようとすればするほど、知事部局には
これは行政から離して考えるものだというイメージを与えてしまう。これからは正面
から行政課題としてアーカイブズのことをやっていくという方針が必要なのではない
か。
・全史料協を行政課題を解決するための団体としていくなら、大学や企業の会員は除外
することになるのか。
→ もしそういった方向性の会にするなら、純粋に行政関係の会員で構成しないと理
屈が成り立たなくなる。
・行政関係以外の機関会員が多いと、財政当局にどういう団体なのか説明するのが困難
である。公文書館だけが集まって行政課題を解決する団体だ、と言うのなら反論はさ
れにくい。
・全史料協が全国のアーカイブズ系の情報を集める場になっていると言うと、国立公文
書館主催の館長会議で済むのではないかという指摘を財政当局から受けたことがあ
る。
・財政当局にどう対応するかについて整理しておく必要があるのではないか。昔から勤
めている方が多くいる館では対応の情報が蓄積されているが、そうでないところでは
難しい。
・これだけ繰越金があってなぜ負担金が必要なのか、と言われたこともあった。
・同じ機関会員でも地方自治体の直属機関であったり法人であったりと形態がそれぞれ
異なり、それぞれに問題を抱えている。機関会員はどこも非常に厳しい中で対応して
いる。当館では派遣職員を引き上げて人件費を削減しろということも言われており、
我々が館を管理するという状態ではなくなるということもありうる。会の様々な役を
引き受けられるかというとかなり厳しい状況にある。
・今、事務局が提案しているワーキンググループでは、会員それぞれの意見を聴いてい
かないといけない。財政を説得する以前の問題として、それぞれが当事者としてこの
全史料協が本当に必要なのか、何をするのかを考えないといけない。
・国立公文書館主催の館長会議は1日だけになったが、各公文書館長から出張費が厳し
いという意見が出され、このようなやり方しかできなくなったとのことである。ま
た、以前は地方の公文書館で館長会議を開いたこともあったが、最近は国立公文書館
が申し出ても、地方自治体の公文書館が引き受けてくれず、東京でやらざるを得なく
なっている。しかし、この館長会議は、国立公文書館が何をしているかという話が主
であって相互の交流はあまりない。国会図書館長が日本図書館協会と一緒にやってい
る公立図書館長会議は違うやり方をしている。国会図書館が得た情報を流す一方で、
各館の状況報告や自由な交流など、質の高い情報交換ができている。国立公文書館の
会議でもそのような機会をもてばより相互に理解しあえるのではないか。色々なやり
方を試みようとしている状況である。
・県議会や市町村議会での雰囲気というのは、行政に対して大きな影響力を持ってい
る。たとえば県の美術関係では毎年集まりがあり、そこに知事や議員などの有力者に
も参加してもらって情報を入れている。新しい美術館施設を作るなどというときには
議会で賛成していただいているが、それはいろいろと情報提供する中で議会での雰囲
気ができているからである。全史料協も運動体としてそういうところにきちんと対応
していけば、議会や行政の中でも理解を得られる道が開かれていくのではないか。
・それも全史料協を作るときの出発点のひとつであった。全国的にさまざまな働きかけ
をやってきて、ようやく公文書館法が作られる時代になってきた。一方で、それぞれ
の館の弱体化がはじまっているという状況になっている。
・日本図書館協会では、司書のレベルアップについてはどのようなことが行われている
のか。
→ 研修などは様々なものがある。たとえば国会図書館は各都道府県立図書館と人事
交流をしており、都道府県立図書館の職員が国会図書館で司書としての技術を向
上させ、自館へ戻っていくという制度がある。国立公文書館でもそういった制度
を作ればどうかとも申し上げている。また、大学教育の中で図書館学は地位を確
立しているし、法律上も司書資格がある。しかし、アーカイブズはそういうもの
がない。図書館界とは広がりが全く異なっている。
・現在の状況、認識は、今回の役員会で共有できたが、今年度、会員にどう問題を投げ
かけていくのか。
→ ワーキンググループを今年から設置していった方がよいのだろうが、予算の問題
も含めて難しい。課題だけでも総会の時に投げかけていく必要があると思うが、
どのようにしていくのか。
→ 全機関会員にアンケートをとるのはどうか。
(結 論)
・次回の役員会は2月の予定だが、総会で現状を報告し課題を提示するために必要であ
れば、総会までに役員会をもう一度持って協議するということもありうる。限られた
予算の中で開催が可能かどうか検討したい。もし開催しないとする場合は、メール等
でご意見を伺いながら詰めていきたい。
(9) その他
○ 広報・広聴委員会の在庫管理について
・広報・公聴委員会より資料に基づき説明。
・広報・広聴委員会では様々な刊行物を抱えており、引き継ぎの時になるべく荷物を
少なくしたいということで委員会内部で配布や処分についての検討を行い、資料に
整理したとおり実施したいと考えているが、ご意見を伺いたい。
(質疑・意見等)
・会報のバックナンバーをPDF化して所蔵は5部ぐらいにするのはどうか。
・廃棄するときに裁断してゴミにしてしまうよりは、古本屋などに売った方がいいの
ではないか。
・会員に告知して希望者に送付するというのは相当の手間にならないか。
→ 案内は会誌を送るときに同封するので、それほど手間はかからないと予想して
いる。
・公文書館によっては機関会員であっても欠号があるところもあるので、機関会員で
あれば値段がついているものでも無料で配ってもよいのではないか。
・会報や会誌については、全史料協の活動に関する報告書という性格も持っている。
複数の館に全ての号がそろっている状況を作っていかないといけない。任意団体の
長年にわたる資料が国家的役目として残されていないというのは日本のアーカイブ
ズの大きな問題である。そういった見地から言っても、次の事務局にどう引き渡す
かではなくて、我々の活動をいかに残すかというのを大前提とした上で、広報・広
聴委員会で引き続き検討してほしい。それで決定した事項についてはそのまま執行
してもよいのではないか。
・刊行物は全国の拠点館に保存しておき、販売するもの以外は引き継がず広報・広聴
委員会は身軽にするという方法もある。そこに行けば必ず何部ずつあるという状況
をつくっておけばよい。
(結 論)
・販売しているものもそうでないものもまずは希望する会員に配り、それ以外につい
ては保存できる場所を広報・広聴委員会で検討していくこととする。
− 以 上 −