平成24年度第2回役員会会議報告
日 時:平成25年2月21日(木) 13:30〜16:10
場 所:京都府立総合資料館(京都市)
出席者:14名
○役員(11名)
井口会長、中嶋副会長、小松副会長、人見理事(代理:池田幾夫)、
本間理事(代理:新井浩文)、小島理事(代理:高木秀彰)、
小宮理事(代理:佐藤勝巳)、柿木理事、佐々木理事、所澤理事、
亀岡理事
○参与(1名)
小川参与
○オブザーバー(4名)
八津川次期会長、金谷次期理事、結城次期理事、和田次期理事
○随行
長澤洋(広島県立文書館)、石川淳(北海道立文書館)、
金原祐樹(徳島県立文書館)
〇事務局(3名)
西川武司、田辺孝夫、福島幸宏(以上、京都府立総合資料館)
1 報告事項
(1) 平成24年度第1回役員会会議報告
・ 会長事務局から報告
(2) 平成24年度総会概要報告
・ 会長事務局から報告
(3) 第38回全史料協全国(広島)大会実施報告
・ 大会・研修委員会から報告。全国大会への参加者数は268名
(4) 会員の現況及び平成24年度会費納入状況報告
・ 平成24年4月1日と平成25年4月1日見込数の会員数を比較すると、機
関会員139機関→134機関と5減、個人会員288名→290名と2増の見込み
であり、機関会員の減少が続いている状況にある。
・ 会費納入状況については、未納入件数は機関会員0、個人会員29名とな
っている。未納者については、この1月に今年度2回目の督促を行い、
収入の確保に努めているところである。なお、今年度から設けた学生会
員の会費減額制度を活用された人は6名である。
(5) 各事務局、委員会報告
・ 各委員会及び事務局から第1回役員会以降の状況を報告
・ 臨時委員会から、「東日本大震災臨時委員会活動報告書」(案)について、
現在、編集作業を進めており、3月末発行予定である旨報告があった。
全史料協のホームページにも掲載する予定
(6) 地域担当理事報告
・ 関東部会及び近畿部会から第1回役員会以降の状況を報告
(7) 組織検討ワーキンググループの設置について
・ 将来にわたり持続可能な組織体制を構築するため、役員及び事務局体制
等の検討を目的として「組織検討ワーキンググループ」を設置すること
が今年度総会で承認された。ワーキンググループの設置要綱及び名簿に
ついては、役員各位に対し内容をメールで諮り承認を得た上で、昨年12
月21日より施行している。
(8) 平成24年度決算見込みについて
・ 各委員会及び事務局から1月中旬時点における決算見込額の報告を受け、
取りまとめたものであり、今後、若干増減が生じる見込みである。
・ 収入見込額は、予算額1,067万円に対し1,047万円であり、約20万円減少
の見込み。会費については、先に説明したとおり、現在納入について督
促を行っており、できる限り収入を確保したい。寄附金の45万円は、調
査・研究委員会の活動費として寄附いただいたものであり、寄附目的の
とおり調査・研究委員会の活動費に充当した。
・ 支出見込額は、予算額1,067万円に対し、832万円の見込みである。昨年
度の支出額873万円と比較すると約5%減少
・ この結果、収支差額の214万円を来年度に繰越すこととなり、繰越金額
は、昨年度に比べ約126万円減少する見込みである。
(9) 「日本アーカイブズ学会登録アーキビスト」資格認定制度創設の経緯について
・ 平成24年12月18日に開催された第9回アーカイブズ関係機関協議会の配
布資料により報告
(10)ICAアーキビスト倫理綱領について
・ 全史料協ホームページに掲載しているICAアーキビスト倫理綱領の日
本語訳について、会員から抜け落ちている点があるとの指摘を受けた。
近いうちに補足をホームページ上に掲載するとともに、ICAへも連絡
したい。
2 協議事項
(1) 大会・研修委員会委員長の承認について
・ 大会・研修委員会委員長については、今年度総会前に実施した役員によ
る投票の結果、白井理事が選出されていたが、やはり機関会員が事務局
を引き受けるべきではないかという意見があったことや、選出された白
井理事本人からも事務局を引き続き探してほしいという強い意向があっ
たこともあり、引き続き事務局を担う機関会員を探すこととし、委員長
の指名は保留した。総会では、井口会長から機関会員に対し、事務局を
引き受ける意思のある機関会員は申し出てほしい旨の呼びかけを行い、
かつ、会長事務局としても引き続き機関会員に対し事務局受託のアプロ
ーチを重ねたが、結局、引き受け手は現れなかった。そのためやむを得
ず、事務局は大会・研修委員会の委員が分担して処理する体制に移行す
ることとし、委員長には白井理事を指名することとしたい。
・ なお、移行に当たり経理事務等については外部に委託することにしてい
るが、できる限り全国大会をはじめとする大会・研修委員会の事務をス
リム化するとともに、会員が全国大会等をバックアップしていくことが
必要であり、協力についてよろしくお願いしたい。
(質疑・意見等)
・ 事務局がないのであれば、臨時職員を雇用する経費が必要なのではない
か。
・ 予算については、弾力的な運用も考えられるのではないか。
(結論)
・ 大会・研修委員会委員長として白井理事を充てることについて承認され
た。
(2) 東日本大震災臨時委員会の解散について
・ 平成23年3月11日の東日本大震災発災を受け、歴史資料の保全や廃棄・
散逸防止、震災経過の記録保全等を目的に東日本大震災臨時委員会を立
ち上げ活動を行ってきたが、全史料協も参画している東北地方太平洋沖
地震被災文化財等救援委員会も平成25年3月で解散の方向と聞いており、
未だ様々な課題が残されているものの、今後は常設の委員会のなかで取
り組んでいくこととし、臨時委員会については、解散することとしたい。
・ 臨時委員会が取り組んできた課題をどの委員会が引き継ぐかについてで
あるが、全史料協のこれまでの経過を振り返ると、阪神・淡路大震災の
後、災害対策小委員会を立ち上げ、その後、防災委員会が設置され、防
災委員会は平成13年度に資料保存委員会とその名称が変わり、平成19年
の組織・業務改善計画及びそれを受け平成20年度に策定された個別具体
化計画において、その業務は調査・研究委員会に引き継がれることにな
ったところである。東日本大震災の震災発災直後、調査・研究委員会が
全史料協機関会員の安否確認情報を確認し、いち早くホームページに掲
載されたのも、災害対策を調査・研修委員会の所管事項である「歴史的
資料保存に関する諸問題」として取り組まれたことであり、更に、調査
・研究委員会から臨時委員会にオブザーバーとして参画されている。
・ 臨時委員会では、解散に当たり委員会を開催し、今後の検討課題として
4点を抽出した。1点目は陸前高田市への支援の継続、2点目は現用文
書の管理ノウハウの蓄積、3点目は資料の所在調査及びその情報の集約、
4点目は大規模災害発生に備えた歴史資料の保存・利用のための関連団
体等との連携を含めた社会全体で対応できる仕組みの構築である。これ
ら4点の課題について議論願いたい。
(質疑・意見等)
・ 課題の2点目から4点目までは調査・研究委員会というよりも、全史料
協全体として、それぞれが目配りする課題であることを確認することが
必要。1点目の課題である陸前高田市の近況はどのような状況か。
・ 緊急雇用事業により地元の方を10人以上雇い入れ、資料のクリーニング
作業及びデジタルスキャニング作業を行っている。先日も文書保管スペ
ースが旧矢作小学校から仮市役所脇書庫に変わったため引越し作業を手
伝ってきたが、既に地元で対応できる体制が整っており、人的派遣はも
う必要ない。課題の2点目以降に対するアドバイスは今後も必要であり、
調査・研究委員会というよりも全史料協全体の課題として考える必要が
ある。全国大会で課題として取り扱ってもよい。
・ 人的支援については、これまでのように大量に投入する必要ないが、定
期的に現地に赴き、その際に2点目以降のノウハウを支援するというこ
とが必要
・ 大規模人的支援は終わり、今後はノウハウ支援といわれるが、委員会が
予算的にも人的にもかなり縮小されている中で、すぐに事務を引き受け
ることについてわかりましたということにはならない。また、事務分掌
的に調査・研究委員会に引継がれているといわれても、現実的には調査・
研究委員会では対応できない。
・ 過去に防災委員会等においても人的な派遣はしなかったし、できなかっ
た。委員会の枠組みの中でできること、例えば他機関と連携した研修会
の開催等を行ってきた。臨時委員会の取り組みをそのまま継続すること
は無理であるが、2年間活動する中で課題として抽出した4点について
の検討はお願いしたい。
・ 陸前高田市のレスキュー活動は、全史料協として人的派遣に取り組んだ
初例であり、阪神・淡路大震災時の対応に比べ、全史料協全体としてま
とまり、かつ、円滑に動くことができた。その点は自己評価してよい。
今後は、全史料協の会員が被災地に赴き、現況を見させていただくとい
うぐらいの理解でよいのか。
・ 現地に赴いていただくことが非常に重要。なお、人的派遣については、
国の文化財レスキュー事業があったので、実現できたということを補足
しておく。
・ 被災地に足を運ぶことが非常に大きな財産を作っていると感じている。
陸前高田市を訪ねてその状況を全国に流すだけでもよい。責任を持って
誰かがいくというのではなく、行ける人が行き、現場を見て、現地の人
と話をする、それだけでも報告ができる。せっかくできたつながりを可
能な限り繋げていくため、調査・研究委員会で様子を聞き、情報を流す
ということでよいのではないか。
・ 災害関連資料の保存については、被災地の資料だけでなく、支援を行っ
た側の資料の保存についても十分留意いただくようお願いしたい。
・ 震災時に都道府県に災害対策本部が設置され、医師や看護師、心理カウ
ンセラー等が本部の要請に応じて派遣される。文書救済についてもその
ような枠組みができないかとこの間働きかけてきたが、結局実現できな
かった。しかし、今後もこのことは要請し続けていく必要がある。
(結論)
・ 陸前高田市との関係では、調査・研究委員会を中心に連絡を絶やさない
ようにする。また、臨時委員会から4つの課題を提示いただいたが、ま
ずはこのような課題があることの認識を共有し、その上で、事務を分担
しながらできることから取り組んでいくこととする。
(3) 平成25年度事業計画案及び予算案について
・ 事業計画案については、各委員会及び事務局から説明
・ 平成25年度の役員会は2回開催することとし、5月30日(木)〜31日(金)
に第1回役員会を、平成26年2月20日(木)〜21日(金)に第2回役員会を、
いずれも広島市において開催する。
・ 来年度予算案については、平成24年度決算見込額で説明したとおり、繰
越金は214万円と、約126万円減少し、会費及び刊行物売上等の諸収入を
加えた平成25年度の収入予算額は約904万円と、昨年度に比べ160万円減
少する。このため、平成25年度予算についても、全史料協の事業継続を
見据え、厳しく見積もる必要があり、原則として昨年度役員会で設定し
た予算上限額を継続する。大会・研修委員会については、総会において
提案し承認された「個別具体化計画に係る業務・運営の点検及び今後の
対応について」で記載しているとおり、全国大会の見直し等を図ること
により事業をスリム化し予算額を減額する。また、事務局を担う機関会
員がないことを踏まえ、事務局事務の一部を委託する。会長事務局につ
いては、総会で承認された「組織検討ワーキンググループ」に係る経費
30万円を上乗せする。以上を踏まえ、予算案を編成したところ、大会・
研修委員会費は委員会旅費の減額等により36万円減額し165万円、調査・
研究委員会費は今年度事業に対する寄附金が見込めないことから事業費
旅費の減額等により47万円減額し100万円、広報・広聴委員会費は委員会
旅費の削減等により18万円減額し130万円、東日本大震災臨時委員会費は
委員会の解散により皆減、会長事務局費は組織検討ワーキンググループ
に係る経費30万円を含め経費の更なる削減により5万円減額の260万円、
副会長事務局費は国際会議派遣旅費の削減により9万円減の50万円とし、
予備費を除く支出予算額として705万円計上する。予備費の支出を20万円
に抑えれば、次年度繰越金として180万円程度確保できる見込みである。
なお、参考に今後収支見込みを記載しているが、現状の運用を継続する
と、平成31年度には収支がマイナスとなる見込みである。抜本的な改革
について、組織検討ワーキンググループで早急に検討する必要がある。
活動の継続性を財政面で担保するため、厳しい予算案となっているが、
承認いただきたい。
・ なお、来年度予算案については、各委員会等において引継ぎの上、次期
体制の役員会の中で、総会に提案する予算案を改めて審議することにな
る。
(質疑・意見等)
・ 会長事務局と大会・研修委員会事務局の委託内容の違いを具体的に教え
ていただきたい。
・ 例えば、郵便等の受付け、発送等の共通する事務以外に、会長事務局で
は会員名簿管理や会費請求事務等がある。
・ 事務局の所在地によっては、旅費なしで委員に就任いただける個人会員
もいるのではないか。また、古くから全史料協で活動されている人は、
リタイヤ後に全史料協にボランティア的に関わっていただける場合も想
定される。旅費については柔軟な対応ができる余地を残した方がよい。
・ 数回開催される会議の中で1回のみ旅費を支給するという取扱いでは、
機関会員の場合は全史料協から旅費が支出されなくても機関から支給さ
れるが、個人会員の場合はまったく支給がなくなり、これではあまりに
も差が大きいので、全回支出するようお願いしたいという要請が議論の
発端であった。WGの中でボランティアの活用を図るべきという議論が
出てくれば別であるが、今のところこのような流れがあることをご承知
いただきたい。
(結論)
・ 平成25年度事業計画案及び予算案について承認された。今後、各委員会
及び事務局で引継を行い、震災対応に係る取組やそれに要する予算をど
うするかも含め、次期役員会において再度協議する。
(4) 全国歴史資料保存利用機関連絡協議会旅費規程(案)について
・ 来年度から会長事務局及び大会・研修委員会の事務の一部を委託する方
向で検討しているが、委託に当たり旅費の算定根拠を整えるため、旅費
規程を定めることとしたい。内容については、個別具体化計画において
記載されている内容やこれまでの取扱いを明文化したものであり、各委
員会及び事務局に意見照会の上、修文している。
(質疑・意見等)
・ 以前、新幹線については、「ひかり」は使えるが「のぞみ」は使えない
と聞いていたが、今もそのような取扱いなのか。
・ 「のぞみ」も乗車可能である。ただし、座席指定料金は支出していない。
・ 第7条に車賃とあるがどのようなものか。また、そのような言い方は一
般的にあるのか。
・ バスや車を利用した場合に支払う旅費であり、旅費法にも規定されてい
る。
(結論)
・ 全国歴史資料保存利用機関連絡協議会旅費規程(案)について承認され
た。
(5) 組織検討ワーキンググループアンケートについて
・ 総会において承認いただいた組織検討ワーキンググループについては、
既に設置されているが、会員に対するアンケート調査を2月18日から3
月4日までの期間で実施している。なお、アンケート調査については、
郵送する経費がなく、かつ、集計に手間もかかるため、原則としてウェ
ブ上のフォームから回答してもらうことにしている。協議会のホームペ
ージにも掲載しており、全史料協の今後の方向性について意見を伺う内
容となっている。今後アンケートを取りまとめの上、3月中旬にワーキ
ンググループを開催し、役員各位には3月末までに報告したいと考えて
いる。
(質疑・意見等)
・ アンケートの質問項目は変更できないのか。
・ できない。
・ 関東部会に入会するためには親会への入会が前提になる。関東部会だけ
なら少額で入会できるため、そこで活動し、よければ親会にも入会する
という選択肢がほしいがそれができない。そういった内容がアンケート
の質問項目にあればよいのだが。
・ アンケートに意見として提出いただきたい。
・ アンケートがセキュリティー上開けない場合、どのように対応するのか。
・ 連絡いただければファイルを送信する。
・ 個別に対応すると大変なので、メーリングリスト等により一括で送信す
ることはできないのか。
・ 集計が大変になるので、原則はウェブ上のフォームから回答願いたい。
・ 念のため会のホームページにワードファイルをダウンロードできるよう
にしておく。
・ アンケートは記名式でなければならないのか。
・ 会の方向性を決めるものであるため、記名式とした。
・ 記名式だと、機関会員に所属する職員の自由な意見が期待できない。組
織の問題なので、全史料協に関わる人からのアイデアが出るように工夫
すべきではないか。
・ 会員へのアンケートなので機関会員は1機関として回答願いたい。
・ 組織検討ワーキンググループのメンバーは4月以降どうなるのか。備考
欄に常設3委員会及び会長事務局と記載されているが、各委員会の委員
が替わればメンバーを選出し直すのか、それともこのメンバーは固定な
のか。
・ オブザーバーである広島県は4月以降会長事務局となるので正式メンバ
ーとなり、京都府は抜ける。その他のメンバーは固定と考えている。
・ メンバー選出の依頼については、全国大会の後に、各委員会から1名ず
つ選出いただきたいとの依頼があり、委嘱状も3月31日までとなってい
る。4月以降は新しい委員会からそれぞれ1名が選出し直されると理解
している。
・ ワーキンググループについては結論が出るまでメンバーを継続いただき
たいと申し上げてきた。人事異動等により所属が変わらない限り、この
メンバーが4月以降も継続して就任いただくことで問題ないのではない
か。
・ 機関会員からワーキンググループに選出されているメンバーは、各委員
会に所属していることを前提としてメンバーとなっており、個人の立場
でメンバーとなっているものではない。また、各委員会の課題を出し合
いワーキンググループで議論すべきであり、やはり4月以降は再任を妨
げないとしつつも、新たに各委員会から選出すべきである。
・ ワーキンググループ設置要綱第3条第4項で「メンバーは、機関会員及
び個人会員の中から選ぶ」と規定されているが、各委員会から選出する
なら規定もそのように合わせるべきでないか。
・ 委員会の課題を出し合うという意見があったが、必ずしも各委員会の課
題を持ち寄る必要はなく、機関会員や個人会員の中から役員会が承認し
会長が指名するという形でよい。
・ 全国大会の後、各委員会から1名選出いただきたいということで依頼を
受けた。その点は確認いただきたい。
・ メンバー選出の際は、全体のバランスを考え各委員会から1名選出いた
だいたが、メンバーが決まった以上、原則として平成26年6月30日まで
固定し、じっくり検討いただきたいと考えている。
・ ここでこのメンバーを固定すると決めるのは困る。所属する館の業務量
も考えなければならない。
・ 必ずしも3委員会から選出するということではなく、次世代を担う若手
がどう考えるのかという視点も大切
(結論)
・ できる限り現在のメンバーに来年度以降も継続して就任いただくことを
強く要請する。次期メンバーについては、来年度の各委員会の委員体制
を勘案の上、来年度の役員会で協議する。
(6) 総会質問事項に対する今後の対応について
・ 総会において、「調査・研究委員会の事業計画の中で『平成23年度に開催
した専門職問題セミナーの成果を踏まえ、今後の研究課題について検討す
る』と記載されているが、是非ともアーキビストに認定された専門職員を
採用に当たりどのように取り扱うのかについて、研究課題として取り組ん
でいただくことを要望する。」との意見を受け、調査・研究委員会から「検
討したい」旨回答されたが、検討状況は。
・ 全史料協で専門職問題に関し委員会を設置していた頃は、国立公文書館に
おいて専門職に係る養成研修もなく、また、公文書管理法も制定されてい
なかった。しかし、時代とともに状況が変わる中で、これまでの検討の方
向性では立ち行かなくなり、違う方向性を目指すということでアーカイブ
ズ学会の資格認定制度も創設されたところである。これらの流れの中で、
今ある資格はどのようなものがあり、どのような問題があるのか、現場で
必要とされるアーキビスト像というのはどのようなものなのかを捉えなお
すため、調査・研究委員会においてセミナーを開催しているところである。
・ アーカイブズ学会の資格認定制度を全史料協としてどう考えるのかを検討
すべき。同じような資格が林立する中で、アーカイブズ学会の資格だけを
認定するのは難しい。きっちり調査し、その学会の資格制度がお奨めでき
るのかということを整理しておかないと、全部認めてしまうことになり、
結局、どれも同じということになる。方向性を出さないと、「こういう資
格を持っているから採用してほしい。」など公文書館に働きかけが行われ、
公文書館も困るのではないか。
・ 調査・研究委員会のブログやセミナー等でいろいろな意見が出ており、そ
れらの意見を集約している段階。今、この問題のみを取り上げるという絞
り込みをすることはできない。
・ 公文書館での採用時に資格を要件とする場合、なぜこの資格だけを認める
のかということが必ずでてくるので、根拠を整理しておく必要がある。
・ アーキビストの資格制度問題について、長らく議論してきたが結局結論が
出ないのは、アーキビストが何をする人かのコンセンサスが得られていな
いことに尽きる。アーキビストの資格を認定するのであれば、まずそれを
洗い出すことが必要。
・ いろいろと意見が出たが、総会における質問事項であり、課題として残っ
ていることは共通の認識としていただきたい。
− 以 上 −