近年、地域歴史資料を取り巻く状況は大きく変化している。2009年7月の「公文書管理法」
の成立はその重要性の社会的認識が高まっている事を示す1つの画期であった。しかし一方
自治体の財政難で公文書館・博物館行政の縮小が進み、それは自治体保管の歴史資料のみな
らず、市民社会の中で保存されてきた歴史資料をも滅失させる。このことが大規模自然災害
時の歴史資料廃棄に如実に現れることは、阪神・淡路大震災以来の歴史資料保全活動の中で
明らかになっている。
地域歴史資料の滅失を防ぎ、市民社会の中でそれを活用し次世代へ継承する営みにおいて、
地域歴史資料を利用し歴史研究を進めていく私たち歴史研究者の位置は極めて重要である。
本例会では、地域歴史資料の滅失の危機の中で、歴史研究者は地域歴史資料にいかに向き合
い、歴史研究を進めていけばよいのかを考えたい。
日時:4月17日(土)午後1時〜午後5時
場所:機関紙会館5階大会議室
地下鉄丸太町駅下車2番出口西へ徒歩5分、市バス府庁前下車すぐ
報告:
福島幸宏氏(京都府立総合資料館)
「公文書管理法以降の歴史学の方向性」
佐賀 朝氏(大阪市立大学)
松下正和氏(神戸大学)
「大規模災害時における被災史料保全活動の現状と課題」
後援:全国歴史資料保存利用機関連絡協議会近畿部会
入場無料・一般来聴歓迎
お問い合わせは、日本史研究会 075(256)9211
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