内 容 |
横浜開港資料館は今年で20周年を迎えた。残念ながらこのことは決して喜ばしいことではない。『横浜市史』第1期編纂事業を基礎として設立された開港資料館は、第2期編纂事業を基礎とする第2資料館や公文書館とセットで完成されるべき暫定的な施設のはずであった。
ところが第2資料館構想が展示機能を肥大化させた結果、博物館類似の施設に換骨奪胎され、さらに景気後退にともなう規模縮小のなかで公文書館機能をそぎ落とし、展示館に純化される過程で、文書館構想自体が見失われてしまったのである。開港資料館もそのあおりを食らって、文書館の文脈から博物館の文脈に移し変えられてしまった。かくして私たちは、公文書館と切り離され、歴史博物館との連携と役割分担という文脈のなかで文書館として生きていくという新しい課題の前にたたされている。
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