期 日 |
平成15年(2003)11月20日(木)午前9時30分 |
テ | マ |
歴史資料をいかに残すか−市町村合併の動きのなかで−(開催趣旨及び基調報告) |
報 告 者 |
上越市史編さん室 山本幸俊氏 |
内 容 |
一昨年の長野大会以来、「21世紀の史料保存と利用」を
大会テーマとしてきました。それは、我が国で20世紀の最後の段階になってようやく文書館制度の普及が
始まり、さまざまな問題を抱えながらも、新世紀が到来するにあたり更なる展望を切り開きたいと願った
からにほかなりません。
そして、昨年度、第28回富山大会では、50年ぶりの地方行政の大改革である「市町村合併」に
当面している公文書保存問題を中心に協議しました。合併動向はその後も急速に進み、法定あるいは
任意協議会に参加している市町村は全国で2000を突破したそうです。そうした全国的な状況下で、
私たちが願ってきた「公文書館法」の主旨が十分に尊重され、消えていく多数の基礎的自治体の記録
が適切に保存・管理できる方向にあるのでしょうか。
地方の市町村合併の現場から見えてくることは、公文書管理が自治体業務のなかで思いのほか軽ん
じられている(きた)こと、その当事者である自治体職員に公文書保存問題への理解を広げていくこ
とがとても困難であること、そして「公文書館法」が殆ど周知されていないという事実です。この現
状とのギャップを正しく踏まえることなくして、全史料協の次なる歩みを始めることはできないとい
うことも強く感じます。市町村合併下の公文書保存問題を切り口に、一歩進めて、広く「歴史資料を
いかに残すか」を考えてみたいと思います。
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